日程調整を効率化することの重要性
日程調整ツールは、ビジネスからプライベートまで、日常生活で活用される非常に便利なツールです。
2021年以降、リモートワークの普及に伴い、Googleでの検索ボリュームも増加しており、その重要性が高まっていることがわかります。
普段のビジネスシーンでは、社内外の複数の関係者と会議を設定する際、全員が参加可能な時間を見つけるのに多大な時間と手間がかかっています。日程調整ツールはそうした非効率を解消し、生産性の向上に寄与します。
よくある作業例
①参加予定者の予定を確認。
②参加予定者のカレンダーを仮押さえする。
③来客の場合、会議室を予約する。
④参加予定者に対して、メールやチャットで日程候補3つほどを送付。
⑤予定が合わない場合は、再度参加予定者の予定を確認し、以前の仮押さえ予定を削除。
⑥決定した日程を確認し、ほか仮押さえ予定を削除。
⑦オンラインの場合はメールやチャットでオンラインミーティングのリンクを送付。オフラインの場合はオフィスの住所やビルの回数、入館コードなどを発行し送付。
ビジネスの現場では、会議やアポイントメントの設定に多くの時間を費やすことで、作業の効率が下がっていないでしょうか。たった1件の設定でも10~15分を要し、集中力を削がれてしまいます。セールスなどの業務では1日に4件ものアポイントメントを消化する必要があり、この部分の自動化はパフォーマンスの大幅な向上につながります。
一方で近年、副業を持つビジネスパーソンが増えたことで、関わるプロジェクトが多様化し、ステークホルダーが増加しています。そのため、綿密なコミュニケーションが一層重要になってきました。
日程調整ツールはこうした非効率なプロセスを自動化し、効率的に日程を調整できるようになります。時間の節約はもちろん、参加者の不在やミスを防ぐこともできます。複雑化する業務環境において、日程調整ツールは欠かせないツールと言えるでしょう。
日程調整ツールの選び方
日程調整ツールを選ぶ際のポイントは、実際の使用目的や業務の範囲によって異なります。
まず、どんなときに使うか、誰と日程調整をするかなどを考慮して機能面で比較しましょう。例えば、海外とのやり取りが多い事業者の場合は、複数のタイムゾーンに対応しているかどうかが重要になるでしょう。インサイドセールス部門で使用する場合は、資料請求や問い合わせに対して素早くアポイントメントを設定できるよう、メールやウェブサイトに埋め込み機能があるかが重要になります。また、外出先から素早く日程調整ができるよう、モバイルアプリに対応しているかも注意すべき点です。
予算に合わせて価格面でも比較しましょう。無料のツールも多数ありますが、有料ツールの方がより便利な機能が実装されています。個人事業主やフリーランスの方は無料版で十分かもしれませんが、ある程度の規模の組織に導入する場合は、セキュリティ要件なども考慮し、有償版を選ぶことをお勧めします。ユーザー数に応じて従量課金制のツールもあるため、導入先の組織体制や予算に合わせて選定する必要があります。
最後に、対象のツールが社内で既に使用している他のアプリケーションと連携できるかを考慮しましょう。SlackやGSuiteなどと連携可能であれば、日程候補の自動抽出やSlackでのメンション、ワークフローと連携することで業務効率が上がり、既存の業務フローにスムーズに組み込むことができます。
下記にポイントをまとめます。
どんなときに使うか?誰が使うかなどの活用ケースに応じて選ぶ
セールス・商談
営業のアポイントメント時の日程調整の際の工数削減は非常に重要です。
特に商談数が増えれば増えるほど、日程調整はパズルをはめるように調整が難しくなります。
日程調整ツールを入れれば、お客様にURLをお送りするだけでそのタイミングで最適な候補が提示され、そのまま日程を確定することができます。
お客様にオンラインミーティングのURLを送り忘れることもありません。
面接・面談
面接など複数の候補者、複数の面接官をアサインして柔軟に日程調整をすることが必要です。また社内の多忙なマネジメントレイヤーが面接官を務めることも多いため、日程もなかなか空いていないケースも多いでしょう。
全ての会議を日程調整ツールで管理できている場合、面接を社内の会議より優先するなどの優先度管理も可能です。
デジタルマーケティング
企業のサービスを知ってもらうために広告出稿をしたり、遷移先のランディングページへ問い合わせフォームを設置することもあるかと思います。日程調整ツールを使えば、問い合わせフォームと合わせて日程調整ウィジェットの埋め込みができることで、温度感が高いタイミングで素早くアポ設定まで可能になります。
そうすることでコンバージョン率及び、成約率を向上させることにつながるでしょう。
既存で使っているツールと連携できるかを確認する
カレンダーツール連携
すでに利用しているカレンダーツールとの連携ができなければ、日程調整ツールを導入するメリットがなくなってしまいます。自分の利用するツールへの連携が可能であるか確認しましょう。
営業支援/顧客管理ツール(SFA/CRM)連携
日程調整完了後にセールスフォース等へ自動で記録が入力されるなどの機能があれば、顧客データや商談予定の入力漏れがなくなり、営業活動の効率を最大化できます。
また、メルマガや広告LPなどからのデモ申し込み、問い合わせ、資料請求と同時にリード情報を顧客関係管理ツールに連携することで、業務効率を最大化することができます。
採用管理ツール(ATS)連携
面接日程の管理を自動化し、採用進捗管理の効率化を実現できます。
アナリティクス/広告出稿ツールへの連携
問い合わせフォームや日程調整カレンダーの流入数や、コンバージョンの計測、また各種広告プラットフォームのコンバージョンタグの実装により、デジタルマーケティングのKPIの正確なトラッキングが可能になることにより、マーケティング戦略のPDCAが可能になります。
日程調整ツール8選
1.TimeRex
ミクステンド株式会社が提供する『TimeRex』は、日程を自動で調整することが可能なツールです。
登録者は16万人を超えており、使いやすいUI/UXが特徴です。
プラン一覧 | フリープラン | ベーシッププラン | プレミアムプラン |
月額利用料(年払い) | ¥0/人 | ¥750/人 | ¥1,250/人 |
日程調整カレンダー数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
2.Spir
株式会社Spirが提供する『Spir』は、カレンダー形式のUIで日程調整が可能なツールです。
2023年4月までに掲載されたレビューを元に「ITreview カテゴリーレポート 2023 Spring」が発表され、Spirが日程調整部門においてリーダーに選出されたツールです。
空き時間URLでAnd/Orを組み合わせた参加者設定と優先度設定ができる機能もあり、チームで活用する際に利便性が高い機能が用意されています。
プラン一覧 | 個人プラン | スターター | エッセンシャル | スタンダード | グロース |
月額利用料 | ¥0 | ¥6,600 | ¥22,000 | ¥55,000 | ¥88,000 |
利用人数 | 個人 | 5人まで | 20人まで | 60人まで | 120人まで |
3.HubSpot
HubSpot社が提供する『SalesHub』内の無償ツールです。
『SalesHub』は顧客との信頼関係の強化、パイプライン管理(案件の進捗管理)の効率化を目的とした、豊富な機能を備えた使いやすい営業支援CRMプラットフォームです。
Sales HubのStarter、Professional、Enterpriseの有料エディション契約の中で利用できるため、
既存でHubSpotを利用している企業や、今後SFAやCRMの導入を検討していれば一緒に導入するのがおすすめです。
4.調整アポ
株式会社 RECEPTIONISTが提供する『調整アポ』は、年間200万人が利用する受付システム『RECEPTIONIST』内の1つの機能から単独のサービスになったツールです。来訪時などオフラインにも対応した調整やサイボウズ Garoon(クラウド版)との連携が可能なところが特徴です。
5.スケコン
株式会社TIME MACHINEが提供する『スケコン』は、カレンダー形式のUIで日程調整が可能なツールです。
オンライン名刺交換がURL不要で、交換した名刺はアドレス帳に自動で登録されます。
2022年2月現在の時点での登録ユーザー数は、20,000人、利用企業数は、300社、また、総予定調整数は、150,000件以上です。
他と比較すると比較的安価な価格で提供しているため、スモールチームなどでの導入にはおすすめです。
フリープランとスタンダードプランでは、主催/成立時の回数制限があるため、ミーティングの頻度やチームメンバーの数に応じてプランを選択すると良いでしょう。
セールスや採用担当者等、毎日ミーティング行う場合は、ビジネスプランを選定しましょう。
プラン一覧 | フリープラン | スタンダードプラン | ビジネスプラン |
月額利用料(年払い) | ¥0 | ¥660/人 | ¥990/人 |
日程調整の回数(主催/成立時のみ) | 8回/月 | 20回/月 | 無制限 |
6.eeasy
株式会社E4が提供する『eeasy』は、上場企業・有名ベンチャー、30,000社以上が導入済のツールです。
事前に調整ページを作っておくことで、常に同じURLを送るだけで日程調整が可能です。
同席調整・代理調整・3社以上での調整など様々なミーティングのタイプに対応しています。
初期費用なしで、月間の調整回数が6回未満の社員は無料になります。
6回以上のユーザーは850円/月でそれ以上の調整が発生しても追加料金はかかりません。
7.Jicoo
ジクー株式会社が提供する『Jicoo』は、設定とAIでチームのスケジュール調整を自動化する予約調整プラットフォームです。
デザインの拡張性が高く、自社のブランドロゴやカバー画像を設置したり、好みに合わせて変更することができます。
予約をしたゲストとメールの代わりにダッシュボードからメッセージでやりとりする事ができることも特徴です。
プラン一覧 | フリープラン | プロプラン | チームプラン |
月額利用料(年払い) | ¥0/月額/ユーザー | ¥880/月額/ユーザー | ¥1,320/月額/ユーザー |
カレンダー接続数/人 | 3 | 3 | 6 |
8.Calendly
Calendlyは世界で2000万ユーザーが利用する日程調整ツールです。
日本語に対応していませんが、機能が豊富であり拡張性の高いプロダクトになっています。
日程のパターンも、1on1〜チームMTG、また、セミナーなどの複数予約まで対応しています。
またHubSpot、SalesForce、GoogleAnalytics、Notionをはじめとする様々なプラットフォームとのシームレスな連携が可能です。
プラン | フリー | プレミアム | プロ | チーム |
月額料金 | $0/月 | $8/月 | $12/月 | $16/月 |
日程調整ツールのまとめ
日程調整ツールの情報をまとめましたがいかがでしたでしょうか?
日々の業務の効率化を促進し、本来注力すべき創造的な仕事や商談の質向上をすることで、会社全体のパフォーマンスを最大化させましょう。